リズと青い鳥 感想メモ

 冒頭でみぞれが「(希美が)うれしい(そう)」と漏らしたのに対して、希美が「みぞれもうれしい?」っていうやりとりをするところから二人はずれていて、そもそもTVシリーズでも希美が部活をやめた際にみぞれに対して相談をしなかった理由について、二人が決定的にずれた思いを持っていた(ように希美が説明していた)こともあり、

 映画全体を通してずれと、それでもぎりぎりのところで触れるシーン(例えば図書館を出て廊下を歩くシーンでみぞれが「それ又貸しになるんだけど」「図書館で借りた本を人に貸しちゃ駄目なんだけど」って言って希美が「わっかりました~」っていうのは直前の図書委員とのやりとりを踏まえたみぞれなりの冗談なのか、希美の受け取る反応もぎりぎりでどう取っているかわからないしめちゃくちゃ絶妙)が繰り返されるんですが、

 わたしが一番好きな瞬間は「みぞれのオーボエが好き」って言うところで、TLでみかけた「ハグするシーンの希美のありがとうは私のフルートの音が好きって言ってくれないの?もう分かった、ありがとうという意味です。」について、これはそうでしょうけど、

 その前の表情とその後の回想も含めてやっぱりこれは拒絶ではなくって、リズに言われて飛び立つ青い鳥を想像したみぞれと、翼を鳥かごから開放するリズを想像した希美の、すれ違った二人の接点の瞬間で、このあと終盤にかけて足音が重なり、大会頑張ろうの言葉が重なり、 

 青と赤の色が重なっていくんですね、この先が別々で、互いに素であっても。